川治温泉(栃木)『一柳閣本館』の温泉分析書
川治温泉の『一柳閣本館』の温泉分析書です。
『一柳閣本館』は、1泊2食7,800円、夕食はバイキングでアルコール飲み放題が付く伊東園ホテルグループの宿です。
『一柳閣本館』の大浴場です。
別の湯船です。
露天風呂の湯船です。
露天風呂から眺める景色です。
『一柳閣本館』は首都圏から直行バスが出ていますが、電車で行く場合は最寄り駅の「川治湯元駅」から徒歩で約10分程度のところにあります。
川治温泉『一柳閣本館』の各施設やバイキング料理などは、宿泊体験記をご覧ください。
川治温泉『一柳閣本館』の温泉分析書の解説
弱アルカリ性の低調性単純温泉です。
源泉名は川治共同源泉で、泉温が43.0℃、湧出量が430リットル(掘削自噴)です。
浴槽の温度調節のための「加水」、「加温」と、衛生管理のための「塩素系薬剤」を使用をしています。
温泉分析書の記載内容
源泉温度 | 43.0℃ |
pH | 8.0 |
泉質 | 単純温泉(弱アルカリ性、低張性、高温泉) |
溶存物質 (ガス性のものを除く) |
408mg/kg |
加水の有無 | 有 (浴槽の温度調整のために加水しています。) |
加温の有無 | 有 (入浴に適した温度を保つため加温しています。) |
循環の有無 | 無 |
ろ過の有無 | 無 |
添加物質の有無 | 無 |
消毒の有無 | 有 (衛生管理のために塩素薬剤を使用しています。) |
単純温泉とは
含有成分の量が一定値に達していない温泉のことです。
単純温泉 | 源泉温度が25℃以上 |
塩化物泉 | 塩類泉 溶存物質(ガス性のものを除く)が1,000mg/kg以上 |
炭酸水素塩泉 | |
硫酸塩泉 | |
二酸化炭素泉 | 特殊成分を含む療養泉 |
含鉄泉 | |
硫黄泉 | |
酸性泉 | |
放射能泉 | |
含よう素泉 |
低張性とは
温泉の浸透圧による分類で、人間の身体を作っている細胞液と等しい浸透圧を持つ液体を等張液といいますが、これは8.8gの食塩を1リットルの水に溶かした食塩水に相当します。この等張液を基準に、以下の3つに分類されています。
低張性 | 等張液より浸透圧の低いもの(8g/kg未満) ⇒水分が吸収されやすい(ふやけやすい) |
等張性 | 等張液と同じ浸透圧を持つもの(8g~10g/kg) |
高張性 | 等張液より高い浸透圧を持つもの(10g/kg以上) ⇒成分が吸収されやすい(湯あたりしやすい) |
*等張性と高張性は濃い温泉ということができます。
弱アルカリ性とは
水素イオン濃度による分類で、以下のように定義されています。
アルカリ性 | 美肌効果あり | pH8.5以上 (pH10.0以上は強アルカリ性) |
弱アルカリ性 | pH7.5~8.5 | |
中性 | pH6.0~7.5 | |
弱酸性 | 殺菌効果あり | pH3.0~6.0 |
酸性 | pH2.0~3.0 (pH2.0未満は強酸性) |
高温泉とは
泉温が42℃以上の温泉のことで、温泉は湧出地(源泉)での泉温により次の4つに分類されています。
高温泉 | 42℃以上 |
温泉 | 34~42℃ |
低温泉 | 25~34℃ |
冷鉱泉 | 25℃未満 |
なお、『一龍閣本館』の脱衣所に、川治温泉についての説明があり、川治温泉の歴史や湯量、自噴であること、効能などについて紹介されています。
一般に湯量が1人当たり毎分1リットルを超えていると良い温泉と言われていて、川治温泉は収容人数2,400名に対して、3,400リットルの温泉が湧き出ているので、良い温泉の条件を見たいしているそうです。
また、地中の源泉からポンプを使って汲み上げる温泉が多い中、川治温泉は源泉が地中浅くにあるため、いたるところで温泉が湧き出ているそうです。
泉質は、無色透明無味無臭のアルカリ性単純温泉で、昔から「けがは川治、やけどは滝(鬼怒川)」と言われ、外傷や皮膚病、リウマチ、動脈硬化症などに効能があるそうです。また肌にやさしい温泉のため、「美肌の湯」として特に女性に親しまれているそうです。